最近疲れていた。
特に、頭と心が疲れていた。
「とにかく、休みたい」
そこで、半年ぶりくらいに遊びに出かけた。
(もちろん一人で)
行き先は、電車で1時間ほどの街にある、お気に入りの美術館だ。
ここは来る人があまり多くないので、静かだし落ち着ける。
誰もいない展示室の椅子に座って、しばらくボケーっとしていた。
とにかく、頭を休めたかった。
日常の生活を送っていると、どうしてもいろいろと考えてしまう。
今すぐやるべきこと…
急ぎじゃないけど早めにやるべきこと…
本当はやりたいけどやってないこと…
次から次へといろんなことが浮かんできて、頭を休める暇がない。
「あれもこれもそれもやらなきゃ…ああ忙しい!」
そして自分の限界までフル回転した結果、頭のネジが何本か飛んでいってしまったように感じていた。
だから、何も考えない時間を作りたかったのだ。
自分を回復させるために。
自分が再起不能にならないために。
作品を見た後は、併設のカフェでケーキとコーヒーを頂いた。
内装もおしゃれ、カップやお皿も素敵だし、食事もおいしい。
店員さんのさりげない気遣いもうれしかった。
その後は、歩いて10分ほどの庭園へ行った。
ここはわりと有名な観光地で、大勢の人が訪れる場所だ。
美術館ほどは落ち着けないが、屋外なので空気がいい。
ここでもぼんやりするために、ベンチに腰掛ける。
しかし、つい油断してスマホを手に取ると、気づけばSNSを5分以上も見ていた。
これはマズいな、とスマホをポケットへ入れて目の前の花に集中する。
ちょうど花菖蒲が満開で、色とりどりの花が美しい。
初夏の風も肌に気持ちいい。
遠足の小学生が向こうで騒いでいたが、別世界のように感じられた。
再び電車に1時間乗り、家に帰った。
また、慌ただしい日常が始まる。
あれをしなくちゃ…
これもやらないと…
本当はそれもやりたかったのに…
頭の中が常に忙しい、そんな毎日だ。
だからこそ、ときには頭を休めることを大事にしたい。
休むための時間が必要だ。
それは、決して「生産性を上げるため」ではない。
よくビジネス書などにある、
「生産性を上げるために休もう!」
なんて、野暮にも程があるだろう。
私は
「休むために休む」
のだ。
自分が壊れないようにするために。